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Research Activities

Research Projects

Can Japan Come Back?

Overview

Leader Keiji Nakatsuji (Ritsumeikan Univ.)
Researcher Susan Pharr (Harvard U.), Akira Furukawa (Ritsumeikan U.), Sachio Nakato (Ritsumeikan U.), Junya Tsutsui (Ritsumeikan U.) More researchers will join at a later date.
Term April 2014 - March 2015
Research Outline

The group will discuss the three following perspectives concerning the 2-decade long stagnation of the Japanese economy after the burst of bubble in 1991.
1. Japanese Economy/Comparative Political Economy Perspective
The group will seek root causes of the 20 year stagnation and present a politico-economic model to revitalize Japanese society. Post WWII politico-economic models (ex. 1940 system) will be reexamined and the reasons of their deadlocks will be clarified.
2. Japanese Politics/Society Perspective
The 20 year stagnation has a lot to do with political disorder of recent years. The group will discuss lack of leadership as well as appropriate policy mix. The role of people, especially civil society, will be explored to realize the comeback of Japan.
3. International Political Economy Perspective
One interpretation to explain Japan’s economic stagnation is disinflation caused by cheap Chinese imports, hollowing out the Japanese economy. On the other hand, relations with a growing Asia are considered important by some researchers for revitalizing the Japanese economy. The argument to emphasize the significance of regional integration through movements such as East Asia Summit can be understood as one of such lines of thinking. This group will discuss the issue from regional and global perspectives.

Report

Leader Keiji Nakatsuji (Ritsumeikan Univ.)
Researcher Susan Pharr (Harvard U.), Akira Furukawa (Ritsumeikan U.), Sachio Nakato (Ritsumeikan U.), Junya Tsutsui (Ritsumeikan U.) More researchers will join at a later date.
Term April 2014 - March 2015
Achievements Outline

As an event of USJI Week, our team held a workshop entitled “Women and Foreign Workers: New Stakeholders of Abenomics?” on Septmebr 8th, 2014. At the session, Nakatsuji played as moderator. Professor Junya Tsutsui, Ritsumeikan University and also a project member, gave a presentation, while Associate Professor Apichai Shipper, Georgetown University, also gave a talk as a guest presenter. Assistant Professor Linda Hasunuma from Franklin and Marshal College commented on the two presentation as the guest discussant.
The above is a second workshop coming from a research project named “Can Japan Come Back?” While the first workshop entitled “Evaluating Japanese Growth and Rebirth Strategy?: Is Abe Inheriting DPJ’s Policy?” extended a general discussion concerning revitalization of Japanese society, the second workshop focused on women and foreign workers and discussed possible roles of them for a come back of Japan.

Activity Contents

* As a preparation for USJI Week workshop, on September 3rd at Ritsumeikan Kinugasa campus, Professor Junya Tsutsui give a rehearsal talk and Professor Furukawa and Professor Nakato and others discussed.
* As an event of USJI Week, our team held a workshop entitled “Women and Foreign Workers: New Stakeholders of Abenomics?” on Septmebr 8th, 2014. At the session, Nakatsuji played as moderator. Professor Junya Tsutsui, Ritsumeikan University and also a project member, gave a presentation, while Associate Professor Apichai Shipper, Georgetown University, also gave a talk as a guest presenter. Assistant Professor Linda Hasunuma from Franklin and Marshal College commented on the two presentation as the guest discussant.

Policy Paper

Leader Keiji Nakatsuji (Ritsumeikan Univ.)
Researcher Susan Pharr (Harvard U.), Akira Furukawa (Ritsumeikan U.), Sachio Nakato (Ritsumeikan U.), Junya Tsutsui (Ritsumeikan U.) More researchers will join at a later date.
Term April 2014 - March 2015
Title When Equal Opportunity Law Fails in Japan: Women's Labor Participation as an Unintended Consequence

■安倍政権下において、なぜ「女性活用」政策が推進されているのか?

日本は1970年代前半の2つのショック(ニクソン・ショックとオイル・ショック)からいち早く経済を回復させたが、他方で「福祉元年」(1973年)までの社会保障拡大路線を1970年代末から反転させ、「企業と家族」による独特の福祉レジームを強化していくことになった。これはアメリカなどの自由主義体制においていわゆる新自由主義のもと規制緩和と厳しい差別撤廃措置によって女性を含む雇用を活性化させる路線、スウェーデンに代表されるようにユニバーサル社会保障の理念のもと、積極的労働市場と(主に女性の)公的雇用によって雇用を確保しようとした路線、そして壮年・高年の男性を労働市場から排出し、公的年金によって扶養する路線といった、主要な欧米諸国が経済不況に際してとったどの政策的方向性とも異なったものであった。

「日本型福祉社会構想」と呼ばれるこの路線がとられるなか、かつてほど伸びなくなった賃金率と進学率の上昇・学費の高騰を背景に、女性は主にパートタイマーとして労働市場に参入をしていくことになった。もちろん、オイル・ショックを機に加速した重工業から自動車・精密機械工業への(二次産業内での)産業転換、サービス産業(金融、流通等)の伸長、高齢化による、ケアワークの増加に伴って女性労働へのニーズが高まっていた、という社会構造要因もある。

パートタイム労働の増加は夫婦ともに有償労働をするという意味では共働き世帯の割合を増やすように作用してきたが、男女の賃金率や労働時間には極めて大きな差異があり、「男性は仕事、女性は主に家事・育児・介護」という性別分業体制を突き崩すものではなかった。女性が男性と肩を並べて働き続けることを目的とした政策は、1986年の男女雇用機会均等法(以下、均等法)を待つことになった。

日本では、均等法に向けた政府のうごきは内的な圧力ではなく基本的には外圧として生じたものだ。1975年、メキシコシティでの国際婦人年世界会議を受けて1979年に「女子に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約(女子差別撤廃条約)」が国連総会で採択された。こうした国際動向を背景に国内でも政府内部で行動計画の策定が開始され、上記の均等法の成立につながっていくのである。

均等法は1997年、2006年、2014年と改正を重ねて、女性の継続雇用の促進という目的を強化していく。それと平行して1992年には育児介護休業法が施行され、いわゆるワーク・ライフ・バランスを念頭においたプログラム整備が進むことになった。

2005年に合計特殊出生率が1.26と過去最低に落ち込むことが深刻な問題として受け止められるなか、働く女性は徐々に少子高齢化において不足が見込まれる労働力、社会保障を維持可能なものにするための切り札として認知されるようになる。たとえば2014年6月、第二次安倍政権下で発表された「日本再興戦略」では、「担い手を生み出す:女性の活躍促進と働き方改革」という文言を見出すことができる。同年10月には、「アベノミクス」の成長戦略のひとつの核となる「女性活躍推進法案」が閣議決定された。

一般に国内の労働力参加を増やす場合、女性の労働市場への参画、定年延長などによる老年労働力の活用、そして移民労働力の活用などの施策が考えられる。政府はこの三つともに視野に入れつつ、特に女性労働力の促進を推し進めているのである。実際、日本の15歳以上人口に占める有償労働をする女性の割合は、他国に比べてかなり低い水準にある。図1は横軸に65歳以上の人が全人口に占める割合(高齢化率)、縦軸に15歳以上人口(女性)に占める女性労働力(労働者と失業者)の割合を示したものだ。

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図1:OECD各国における高齢化率と女性労働力参加率(世界銀行WDIより筆者作成)

 

■あまり効果がなかった諸政策

1986年の均等法、1992年の育児介護休業法は、その後の女性の労働参加や出生率にどのような影響を与えたのだろうか。図2をみると、この2つのプログラム介入によって女性の労働力参加の変化率に顕著なプラスが生まれたようには見えない。むしろ女性の労働力参加は1970年代後半以降、コンスタントに増え続けている。

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図2 労働力参加率と均等法・育児介護休業法(労働力調査長期統計より筆者作成)

 

他方で、この労働力参加の増加の内実は、主にパートタイム労働などの非正規雇用の増加によるものであることも明らかである(図3)。

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図3 女性の雇用形態の推移(労働力調査長期統計より筆者作成)

 

政策プログラムが目立った効果を上げていないことについては、次のような説明がありうる。まず、欧米諸国の例を見ても、第二次世界大戦後の女性労働力参加の増加は基本的に社会経済的変動の「意図せざる結果」である、ということだ。スウェーデンでは先後のヨーロッパ経済の復興期における旺盛な労働需要にこたえるかたちで女性の労働力参加が進んだ。アメリカでは、オフィスワークの女性独占という偶発的な要因が、つまり性別職域分離がポスト工業化段階における女性の労働力参加を促した。高齢化にともなうケアワーク需要の急増、中小企業中心の経済構造なども女性の雇用に促進的に働いたという証拠がある。

性別職域分離が女性の労働力参加につながる最も顕著な例は、主に北欧諸国においてみられる公的雇用に占める女性の高い割合である。図4は1970年から1999年にかけての政府雇用の割合(15-64歳の人口比)と女性労働力参加率の推移を示したものだが、デンマーク、スウェーデン、ノルウェイといった北欧諸国における公的雇用の割合の増加には眼を見張るものがある。かねてより「大きな政府」であったこれらの国で雇用割合が上昇したのは、主に公的に雇用された女性のケアワーカーが増えたからである。

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図4 公的雇用割合と女性労働力参加率(Comparative Welfare State Data Setより筆者作成)

 

■日本的雇用の意図せざる結果

日本においては、政策プログラムの充実にもかかわらず、あるいはそれゆえに女性の本格的な労働力参加が進まなかった。1986年の均等法、そしてその後の度重なる改訂は、男性的働き方に女性を引き入れるものであった。

日本における男性的働き方とは、内部労働市場の仕組みのもとで無限定的な労働を行うという点に特徴がある。日本のサラリーマンは、会社のメンバーシップを得て比較的安定的な地位を手に入れるかわりに、職務内容、労働時間、そして勤務場所について経営者の都合に合わせることを要請される。職務内容がたびたび変更されるために、調整能力やコミュニケーション能力、根回しといった抽象的なスキルを要求され、職務評価もそれに応じて抽象的なものになる。そのため結婚・出産・育児で就業を中断する可能性があり、また「家庭責任」を負わされるために長時間労働が難しい女性の職務評価は高くならない。育児介護休業法は、就業中断による解雇を防ぐことはできても、その後の仕事ぶりにおいて「専業主婦のサポートを得る男性」と同様に働くことができるわけではないために、復職後の賃金増加率や離職率の面できわめて低調な結果に終わってしまう。

■おわりに

女性の労働力参加は社会経済構造によって規定される面が大きく、両立支援のための政策プログラムはそれによるコンフリクトを緩和することはあっても、積極的に「共働き」社会を創出するような力はない。日本においては、内部労働市場を重視した雇用・労働形態をいかに変えることができるかが、それにともなって男性の働き方をどこまで改めることができるかが、女性の労働力の活用において大きな課題となっている。

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