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国際社会の構造は過去10年で大きく変化しています。日本の相対的地位は急速に低下し、米国も圧倒的な軍事力を誇りながら国際社会への影響力は明確に低下しました。一方、中国は経済発展により影響力を高め、世界各国の関心を集めてきています。こうした日米の地位低下を考えると、今後の米国や日本の研究は、もはや一国研究にとどまることは許されず、世界や東アジアにおける米国と日本という視点から、また日米関係は米中関係との比較の視座や、国際システム全体の中でとらえて研究しなければ、我々が直面する課題に応えることは出来なくなりました。
今後のアメリカ研究や日米関係の研究は、国際社会の構造変化に対応するためには、実践と学術面の相互作用を通して行われる必要があります。実践的な分析が、単に日米の外交問題、経済状況、環境問題等々の実情をフォローするだけでは不十分であり、中長期的また学術的な分析視角が必要です。他方、学術研究が単なる学問的関心のみから日米の政治・経済・社会の分析を行っているのでは不十分であり、現実のニーズに応えるような視点からの研究が必要です。
国際社会の構造的変化の中で日本と米国が直面している問題の解決には、大学と産業界が協力し、学術的な研究の基盤に立って、現実のニーズに応えられる実践的な研究を行う場を提供することが必要であります。まず、日米の研究者が相互に理解される前提・仮定、手法に基づいて実施した学術的な研究成果を基礎にします。そして、現実の国際社会において日米の社会が直面している問題を解決するために、政策的な含意を持つ実践的な研究を展開させます。さらに、その研究成果を政策決定者および企業リーダーに定期的、またはニーズに合わせて発信、提供していきます。これらの実践的な研究活動によって、日米における政府ならびに企業の意志決定に示唆・影響を与えることが可能になります。
このような場を提供するために、日本を代表する大学が産業界と共同で、日米研究インスティテュートを米国ワシントンD.C.に設立します。そこでは、日米のトップレベルの研究者が集い共同研究を行い、その下で若手研究者と企業から派遣される実践者が現実的な問題解決のニーズに応える学術的かつ実践的なトレーニングを受けることが可能です。その結果、将来の日米の相互理解に、また日米のトップリーダーの意志決定に、影響を与える知的なコミュニティを形成することが可能となります。そして、産業界においても、中長期的な視点で日米関係における、新たな関係を築くことを実現します。
是非とも、趣旨にご賛同いただき、ご支援を賜りたくお願い申し上げます。
2009年4月14日
理 事 長
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