HOME > 研究活動 > 研究プロジェクト > 2012年度 > 日米印におけるビジネス発展の可能性:社会的・政治的ダイナミクスの影響を問う

研究活動

研究プロジェクト

日米印におけるビジネス発展の可能性:社会的・政治的ダイナミクスの影響を問う

計画書

研究代表者
(所属)
Gautam Ray 教授 (京都大学経営管理大学院)
研究関係者
(所属)
小林潔司(京都大学経営管理大学院)、若林直樹教授(京都大学経営管理大学院)
研究期間 2012年4月~2013年3月
研究概要

 社会的、文化的、政治的資源は、国や地域における人間や経済発展へ影響をもたらすと知られており、その結果、影響を受けた国だけでなく世界中のビジネス発展にも影響をもたらすことになる。ここでいう社会的、文化的、政治的資源は、信頼のソーシャルキャピタル、人的および知的ネットワーク、法の支配、教育による知識プールへの平等なアクセス、民主主義制度である司法機関の独立性、報道の自由、また市民社会などが人権・環境・天然資源保護のために活動するためのプラットフォーム、そして向上したガバナンスである。
 米国は、移民政策そして国籍や社会的または経済的地位に関係なく全ての人が得られる成果主義の報償制度を通して社会的地位を向上させる政策を行ってきた。それによって得られた豊かな社会的・政治的資源、例えば民主主義的価値である個人の自由や多文化社会を過去一世紀に渡って発展させてきた。米国の大学や研究機関は世界中から人的資本を集め、それらを力強い資本主義経済へとり入れてきた。これらの人的・社会的資源は革新や創造力を促進させ、今までにないような規模で知識経済を拡大してきた。
 一方日本は、非常に生産的な産業経済をつくり、階層的な社会構造を取り除いて、いかに中間階層の勃興や貧困の撲滅とともに経済を急速に発展させることができるのかを示した。日本の製造業は、成長の原動力を維持させることができる従業員を信頼し、給与体系や業績手当てによって成長の成果を共有し、世界で最も平等な社会の一つとなった。信頼、忠実、そしてチームワークが日本企業の成長を手助けした。
 豊かな社会的・経済的基盤資源にも関わらず、日本と米国のビジネス発展は近年着実に縮小している。日本は1990年代初頭にバブル経済が崩壊し、それ以来経済不況に直面している一方で、米国では過剰な信用供与によって人為的に支えられた成長バブルは2008年の経済危機以来取り返しのつかないほど崩壊してきたようだ。インドには大きな国内市場があり、成長の可能性も大きく、日本とアメリカ企業のビジネス成長が新たな弾みをつけるために必要な相乗効果や相補性をもたらしてくれるであろう。
 インドの民主主義制度である、報道の自由、司法機関の独立性、選挙委員会、そして活力ある市民社会は、インド市場の成長を可能にさせてきた。その市場の発展は、教育を受けた中流・下位中流階級によるものだ。膨大な人的資本の平均年齢は25歳で、従属人口比率は7.5%と非常に低く、インド市場は、資本や技術が豊かな経済国である日本と米国にとって、戦略的ビジネス発展の絶好の機会である。インドも教育を受けた労働人口がかつてないほど急増するという問題に直面している。
 この研究は、3大民主主義国それぞれがいかに社会的、文化的、政治的、経済的資源を利用して生産的なビジネス同盟をつくり、全ての人に有利な結果をもたらすことができるかを検証するものである。さらに、本研究ではこれらの国によるビジネスアライアンスのための正統性基盤を同定するとともに、影響を受けやすい人々のニーズに応えられるよう、持続可能な新しいビジネスをいかに発展させていくかを探る。

ご支援のお願い
  • 連携大学

  • GET UPDATES

    USJIでは、イベント等の情報をメール配信しています。お申込み/配信停止はこちらから。