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研究活動

研究プロジェクト

サイエンスフィクションを用いた科学技術の社会実装ビジョンの策定

計画書

研究代表者
(所属)
大澤博隆(筑波大学助教)、鈴木健嗣(筑波大学教授)
研究関係者
(所属)
宮本道人(筑波大学), Ed Finn (Arizona State University), 長谷敏司 (日本SF作家クラブ)
研究期間 2019年10月-2020年9月
研究概要

社会における科学技術の制定には市民の技術理解と積極的な参画が必要不可欠である。そのためには「欠如モデル」のように、科学技術者が率先して市民を導くという発想に立つのではなく、市民の側が未来社会に対する積極的なアイディアを出し、そのために科学技術を調べ、問題解決手法を提案していくことが重要である。しかし、こうしたモチベーションを市民参画の場で保たせることは容易ではない。
このような問題の解決策として、サイエンスフィクション(SF)のような物語を使った手法(デザインフィクション)が注目されている。従来よりSFが科学技術者にビジョンを与え、科学技術がSFにビジョンを与えるという相互作用があることが注目されていたが、最近では、こうしたSFの発想を積極的にイノベーションに活用しようという考え方が生まれている。問題解決ではなく問題意識を育てるための設計、スペキュレイティブ・デザインや市民の技術活用を促すメーカームーブメントなど発想は、その根源にSF作家(ブルース・スターリングやコリイ・ドクトロウ)の影響がある。最近では中国が、こうしたSF作品の持つ発想支援を積極的に技術活用に活かそうとしている(国際SF大会における投資、Nature等の科学雑誌における中国作家の掲載、成都のSF都市宣言など)。
本研究では科学技術を地域に導入する際にSF小説をビジョンとして作成するためのワークショップのフレームを、日本、特につくば市にて実施するための調査を行う。そのため、アリゾナ州立大学の科学と想像センター(CSI)の手がけるAI技術政策におけるSFの活用を試みた”AI Policy Futures”の調査を行う。実際にアリゾナ州立大を訪問し、日米の科学コミュニケーションの文化比較を行う。この文化比較により、未来の社会のビジョン、政策決定のビジョンにおいて、日米でどのようにプロセスを変えればよいかを積極的に検証する。
研究代表者の鈴木健嗣教授は、筑波大学人工知能科学センターのヒューマンテクノロジー分野において、上記人工知能技術の社会応用を長年模索し、いくつかの社会的応用手法を開発し、市民の場に適用してきた。また研究関係者であり筑波大学所属の大澤博隆助教、宮本道人研究者と、日本SF作家クラブ所属の長谷敏司理事は、大学と作家クラブ間で共同研究契約を結び、人工知能とSFの双方の影響に関する調査を進めている。
SFが国民文学の一部であり、その検討が社会におけるイノベーションを生んできた米国の手法と、高齢化社会など、世界に先駆けた課題を持つ先進国であり、SFを中心としたサブカルチャーを持つ日本の知見を組み合わせることで、未来社会を検討するために、どのようにフィクションを応用できるかを検討する。これにより、世界の技術応用のビジョンを作るための貢献を生み出す。

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